ただし入浴で改善する頭痛もある。
まず、はじめに断っておかねばならないことがある。
万葉おじさん、つまり私は、医者ではない。
世界中の人々に日本のお風呂と温泉のすばらしさを伝え、 健康で美しくなってほしいと願う、心優しいただのイケメンダンディである。 (お風呂の知識をひけらかしたいだけの自慢したがりオヤジでもないぞ!)
だから、今回の頭痛のように医学に絡んだテーマの場合は、 医療系サイトとは違い、私の話は、単なる一般的な知識として受け止めてほしい。
実際に頭痛に襲われた時は、これから話す内容に従って入浴の判断をせずに まずはお医者さんにかかってくれたまえ。
とくに頭痛に関してはお風呂の 効能以前の問題として、急性の脳血管系疾患のように、救急にかからなければ 死の危険があるようなものまである。
もう一度言う。辛い頭痛の時は、まず病院へいこう!
さて本題だ。勘違いしがちだが、脳には痛みを感じる神経はない。
頭痛といっても 脳が痛むわけではないのだ。頭痛で「痛くなる場所」というのは、
主に血管、筋肉 (骨格筋)、脳を囲む膜(硬膜やクモ膜など)に関連する筋肉なのだ。 お風呂に入ることで改善が期待できる頭痛として、頭痛の約7割を占めるともいわれる 「緊張型頭痛」がある。主に後頭部を中心にした重苦しさ、締め付けられるような鈍痛が 特徴だ。
症状としては軽いことが多く、歩いたり階段の登り降りで悪化することもない。 原因は、首や肩、視神経と連携している肩こりや腰痛と同じで、日常の姿勢や、ストレス から来るものが多い。
そのためお風呂が持つ血流アップ作用や、リラックス効果がある自 律神経調整作用により、症状が改善される。つまり痛みが消えるのだ。
一方で、お風呂を避けた方が良いのが「片頭痛」だ。
片頭痛になる割合は、女性の方が高く、日本には600万人以上の患者さんがいると推定さ れる。「ズキン、ズキン」という脈拍に合わせた強い痛みが発作的に起こり、頭の片側、 または両側のこめかみや目元あたりの部分が主に痛む。
発作は月に1~2回程度、繰り返して起こり、痛みは4~5時間、長い場合は、3日も 持続する場合もあるらしい。 片頭痛の根本的な原因はまだ確定できていないが、いずれにせよ脳周辺の血管の拡張によ るとされている。
したがって片頭痛の時は、お風呂による血管拡張の作用で、逆に片頭痛 を悪化させるケースがある。入浴は控えたほうが無難だね。
しかし緊張性頭痛はいうに及ばず、片頭痛であっても発作のないときはむしろお風呂は お勧めだ。緊張性頭痛と同様に、日常生活のストレスや睡眠不足があると、片頭痛の 発作を起こしやすいからだ。
前にもお伝えしたが、40度前後のぬるま湯に、就寝前に10~15分入る。
それがストレス社会に生きる現代人におすすめの入浴法だ。
お風呂を上手に活用して、しっかり健康管理してくれたまえ。
参考・引用元『入浴検定公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』