石鹸やシャンプーは、基本的に「界面活性剤」が使われているんだ。
界面活性剤とは、 分子内に水と油の両方に親和性をもつ 化学構造で、
本来は混じり合わない両者を混合させる機能を持つ物質の総称だ。
石鹸やシャンプーは、そんな界面活性剤の性質を利用して、
水では落ちない脂や脂溶性の物資を 洗い流しているんだ。
皮膚最上面のバリアとなる皮膚腺も主な成分は脂だ。
お肌のうるおいを保つための重要なセラミドも脂だったね。
(リンク:1日に何度も入浴すれば美肌になるの?)
石鹸やシャンプーは汚れを落とすと同時に、
お肌にとって 重要な脂まで溶かして洗い流してしまうんだ。
使い過ぎれば、皮膚バリアが崩れ、異物の侵入を許して 肌荒れの原因となったり、
セラミド流失により角質層に水分が逃げ出して乾燥肌を招いたりする場合もあるんだ。
皮膚バリア全体の機能が落ちれば、
さまざまな皮膚トラブルを 招くことになりかねない。
お肌がベタつくのは気分が悪いので、皮脂は悪者にされがちだ。
だけど、本来は皮膚を守るための重要なものなんだ。
多くの皮膚科医の意見では、頻繁に石鹸を使って洗浄する必要が あるのは、
皮脂の多い頭部、 顔、粘膜がある陰部、また足の指の間や脇の下などの
肌が触れ合う部分に限られる。
それも2~3日に一回、手で撫でるようにやさしく洗うだけで、
さらに皮脂が少ない手足などは、
同様の洗い方で一週間に一回で 十分としている。
過ぎたるは及ばさるがごとし。何事もやりすぎは禁物ってことだね。
参考・引用元『入浴検定公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』